企業でUX戦略が成熟してくると、企業の活動そのものとなる

企業において優れたUXを提供するためには、適切な目標設定と目標到達のためのアクションを決める必要があります。これは、UX戦略を定めることに他なりません。

Renato Feijoはブログ「Planning Your UX Strategy」で、企業におけるUX戦略の必要性について論じています。「オンラインショッピングの購買成功率を30%から70%に引き上げる」「Webサイトで新メンバが会員になりやすいようにデザインする」などは、デザイン目標であり、UX戦略と混同すべきでないと論じ、UXとは顧客と企業とのあらゆる接点で形成されてくるものであるから、UX戦略は企業のあらゆる部門が連携した取り組みである必要があると述べています。

戦略立案は一般的に、現状分析と目指すべき状態を明確にして、その状態に到達するには何をすべきかとその優先度付けをします。そして作った戦略を実際にやり遂げるのです。そのために、競合分析に加えて自組織の分析をおこなう必要があります。UX戦略も同じです。そして現状分析と目標設定のために、UX成熟度モデルが用いられるのです。

Feijoのモデルでは、レベル1(認識されていない)からレベル6(企業に埋め込まれている)までの6段階が示されています。企業がUXに最高度に成熟すると、UXは企業における活動の中心そのものとなり、わざわざUXを個別に議論することはなくなります。例えばAmazon、Apple、IKEA、BMWなどが例として挙げられています。そしてこれがビジネスとしての差別化要因=大きな利益を稼ぎ出す原動力となるのです。

この状態に到達するのはなかなか大変です。だからこそ、差別化要因にもなるのでしょう。成熟を促進するには何をすべきか、引き続き考えていきます。